社長挨拶

自動車の安全性を向上させるグローバルサプライヤーとして

 IMASENグループは1939年2⽉に設⽴以来、独⽴系企業として国内外のモータリゼーションの進展に対応し、創業製品である自動車用電子ホーンに始まり、⾃動⾞⽤ランプ、リレー、ウインドレギュレータ、シートアジャスタ等の多様な製品開発を積極的に進め、2019年に80周年を迎えることができました。
 現在は主力のシートアジャスタに加え、ECU製品をはじめとした電子ユニットの生産に携わっており、創業時から現在まで「自動車の安全性を向上させる製品」を絶えず提供してまいりました。これらを生産するには厳しいスペック、法規があり、それに向けた開発や品質維持を追求し、磨き上げてきたノウハウこそが、私たちの強みであり、存在意義だと考えます。


コロナ禍における生産改善、品質向上の取り組み

 この度の新型コロナウイルス感染症の拡大や半導体不足による受注減少は、生産改善や品質向上に注力する貴重な機会を与えてくれました。
 現在の主力製品であるシートアジャスタの生産ラインは、2007年に稼働した岐阜工場に集約させ、ロボットを採用した自動化ラインにより高効率な工場とし、将来を見据えたマザー工場としての役割を示してまいります。岐阜工場で蓄積したノウハウを生かし、北米、中国、タイの生産拠点でも積極的な自動化ラインの導入を図っております。
 シートアジャスタに次ぐ第2の柱として成長を目指す電子部品では、製品毎の専用ラインから新設する多品種混合ラインへの置き換えにより、生産量の変動に柔軟に対応できる体制を構築し生産性の向上を図ります。
 かつてのリーマンショックにおける受注減少時にも、生産改善、品質向上に徹底して取り組み、翌年の受注回復時には過去最高の利益を出せたことからも、これらの取り組みが大きな意味を持つと確信しております。


予測不可能な時代と事業構造の変革

 自動車産業が100年に1度の大変革期を迎え、コロナ禍によって事業環境の見極めが非常に困難な状況下にあって、IMASENグループでは国内工場の再編や、海外子会社の財務改善など収益体質の改善に取り組む一方で、持続的な成長を遂げるには『事業構造の変革』が必要であり、シート事業中心の事業構造に対し、電子事業の成長を急ぎ、更に新事業として第3の柱を育ててまいります。
 当社グループには画像処理や航空機のワイヤーハーネス、福祉器具など手掛ける会社があり、社会課題の解決につながる新規事業の創出を目指します。
 2020年11月に資本業務提携を締結したテイ・エス テックとも、完成車メーカーへの提案活動や次世代製品の開発など、さまざまな共同プロジェクトを進めております。当社が持つ機構技術と一体となって開発し、更に電子制御技術を組み合わせるなど、両社の強みを集結し、技術力や生産性の向上につなげてまいります。


ESG経営の推進と「中長期経営計画2029 -Trust & Challenge-」

 IMASENグループは2021年4月から「中長期経営計画2029 -Trust & Challenge-」をスタートしました。このTrust & Challengeの言葉には、ガバナンス体制をより充実させ盤石にすることで、ステークホルダーの皆さまとの信頼関係を更に濃密なものにし、その盤石な基盤の上で高い目標に向かって挑戦していく強い決意を込めています。
 また、環境・社会貢献はCSRの中心に位置するものであり、この中長期経営計画の中で強力に推進していきます。
 そして、「信頼される企業」、「挑戦し続ける企業」であることで「社会に選ばれる企業」になれ、という新しい経営理念のもと、全社員が一丸となって大きな成長に向かって邁進してまいります。

2021年6月
代表取締役 社長執行役員
櫻井 孝充